線維筋痛症患者の支援に意欲を込める鳥井さん=高岡市内

線維筋痛症の痛み緩和へ 富山で患者と専門家がNPO法人設立

2018/03/11 02:04

 原因不明の痛みに襲われる線維筋痛症(せんいきんつうしょう)に悩む富山県内の患者が医師や薬剤師らと協力し、NPO法人「えがお」(富山市)を設立した。同じ症状に苦しむ人に治療や生活に関する情報提供を行い、心身の痛みの緩和に取り組む。この病気で患者と専門家によるNPO法人は珍しく、関係者は支援組織の「富山型モデル」となるよう意気込んでいる。

 

 線維筋痛症は全身を痛みが襲う病気で、衣類が肌に触れるだけで激痛を感じる患者もいる。米国の人気歌手レディー・ガガさんも昨年、症状を公表したことで知られる。原因は不明で、薬などで痛みを抑えることはできるが、治療法は確立されていない。

 

 一般的な検査では線維筋痛症と診断されにくく、対策に悩むケースが多い。強い疲労感や目まい、ふらつきなどに襲われる慢性疲労症候群を併発する場合が多く、うつになる人もいる。

 

 「えがお」は患者でつくる任意団体「線維筋痛症北陸患者会虹の架橋」を前身に専門医らが加わり、1月に設立された。患者や医師ら役員13人で、会員は65人となる。

 

 線維筋痛症や慢性疲労症候群の患者、それらと似た症状の人にホームページや講演会などを通じて、県内の医療機関を紹介する。県内の自治体にも情報提供で協力を求める。

 

 激しい痛みで仕事を続けられず、治療費の負担で生活が困窮する人がいることから、カウンセリングを実施し、悩みに応じて弁護士や社会保険労務士、就労支援事業者を紹介する。

 

 運営を担当する鳥井謙祐さん(45)=高岡市=は2011年に痛みを感じるようになり、徐々に症状が悪化した。体の内側からガラスで引っ掛けられるような痛みを感じるという。線維筋痛症と診断されたのは昨年8月だった。鳥井さんは「人によって症状は異なる。違和感を感じたら病気を疑ってほしい」と話した。

 

 鳥井さんによると、患者と専門医を交えたNPO法人は全国でも珍しい。会員制交流サイト(SNS)を通じて、県外の患者から問い合わせが届いているという。鳥井さんは「まずは富山で運営を安定し、一つの成功事例として全国のモデルケースとしたい」と力を込めた。

 

 「えがお」は11日午後3時から富山市のサンシップとやまで、医師らを交えた交流会を開く。4月1日には同所で、設立記念講演会(富山新聞社後援)を開く。専門医らによる講演や相談も実施する。問い合わせは同法人事務局=050(5539)3670=まで。