富山のニュース 【2月23日02時14分更新】

地酒に合う酒器制作 富山県内18の酒造とガラス工房 土地柄、歴史主題に

高澤さん(右)に自作の酒器を披露する森さん(左)=氷見市の酒造店
 富山市の富山ガラス工房や県内で活躍するガラス工芸作家が県内18の酒造で醸造され る地酒や土地柄、歴史を主題とした酒器の制作に励んでいる。22日は同工房の森康一朗 さん(23)が氷見市の高澤酒造を訪れ、海越しに望む冠雪の立山を思い描いて制作した 、酒を注ぐ片口とグラスを披露した。酒器は3月の新酒試飲会で展示される予定で、関係 者は富山ならではのガラス工芸を日常に取り入れてほしいと期待している。

 酒造をイメージした酒器作りは、富山ガラス工房と北陸酒販が日本酒離れが進む若年層 が地酒に親しむきっかけにしてほしいと企画した。昨年11月に酒造と作家が顔合わせし 、担当の酒造が決まった作家は現地に出向き、酒造の歴史や酒の特徴、土地の風土などか ら作品のイメージを膨らませてきた。

 地酒を自家製造する酒造は富山、滑川、魚津、黒部、南砺、高岡、砺波、氷見の8市と 朝日町に18カ所あり、すべての酒造が出品する新酒の試飲会ではこれまでガラス工芸作 家が作った酒器の人気コンテストを実施していた。ただ、一人の作家が特定の酒造をイメ ージして作品を作るのは今回が初めてとなる。

 22日、高澤酒造を訪れた森さんは香川県出身で、昨年4月に富山ガラス工房に入った 。氷見で生まれて初めて見た冬の日本海と、後ろにそびえ立つ立山連峰の姿が忘れられな かったと語る。青と白のグラスの注ぎ口は、その情景の対比を色で表現し、酒を注いだ後 、水滴が垂れない工夫も凝らされた。

 酒器を手に取った杜氏の高澤龍一さん(33)は「柔らかい感じのするグラスで、春の 新酒を冷酒で飲むのに合うと思う」と喜んだ。富山ガラス工房の野田雄一館長は「ガラス 工芸も、地域とかかわることで育つ。地元のお酒を地元のガラスで味わってほしい」と話 した。

 酒器は3月19日、富山市のANAクラウンプラザホテル富山で、富山ガラス工房でぐ い飲み作り体験をした人を対象に開かれる新酒パーティーで初披露される。同27、28 日には同市の富山国際会議場で行われる新酒のきき酒会でも展示される。


富山のニュース