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北陸の経済ニュース 【3月19日04時03分更新】
金沢都心、投資低調で苦戦 石川の公示地価 オフィス空室率は25%
18日発表された石川県の公示地価で、金沢市の商業地の平均下落率は8・0%となり
、前年の3・6%から2倍以上拡大した。リーマン不況で県外企業の拠点見直しが進み、
中心部のオフィスビルの空室率上昇が地価に重しとなっている。地場資本による開発もあ
るが、県外からの投資は極めて低調のまま。2014年度末の北陸新幹線金沢開業を控え
、商業関係者からは「中心市街地に集中投資する行政のてこ入れが不可欠」との声が強ま
っている。「消費が一向に盛り上がらず、目新しい商業施設の開発もない。地価下落もやむなしだ が、予想より大きい」。金沢市片町商店街振興組合の小間井隆幸理事長は危機感を募らせ る。 同市片町2丁目の下落率は9・4%。前年の4・1%から大きく拡大した。2007年 まで24年連続で北陸の最高価格地点だったが、今年の1平方メートル当たりの価格は5 3万円と、ピークだった92年の570万円に比べ10分の1以下に落ちた。 同市竪町の下落率も4・9%から8・6%に。中小テナントの出店はあるが、「撤退し た大型店の跡がなかなか埋まらず、でかい分だけ目立ってしょうがない」(竪町商店街振 興組合の東川庄一理事長)という。 金沢市の地価はこれまで、新幹線効果が駅周辺から中心部に広がる形で持ち直してきた 。しかし、勢いのあった金沢駅周辺も、本町2丁目の下落率が2・3%から8・7%に急 拡大。新幹線開業前の先行投資もあり、一時は地価が上昇していたが、投資減退で、その 反動が強く出た格好となった。 一方、金沢駅と片町の中間に位置する武蔵町の下落率は5・8%(前年1・9%)と、 やや小さい。近江町市場の再開発ビルの開業などが地価を下支えしたとみられるが、県外 資本がダイエー跡地で計画する複合ビル構想はテナント誘致がはかどらず、地元の懸念材 料となっている。 シービー・リチャードエリス(東京)によると、09年12月の金沢市のオフィス平均 空室率は24・8%で、全国の主要都市(12都市・13エリア)で最も大きかった。 実際、南町のオフィスビル「アセント金沢」は昨年2月に完成したが、テナントが埋ま らず、まだ開業していない。同市香林坊1丁目の損保ジャパン金沢ビルに入っていた、み ずほインベスターズ証券金沢支店は2月、上堤町のみずほ銀行金沢支店に移転。後継テナ ントは「まだ未定」(損保ジャパン)で、一等地の1階ですら空き床となる厳しい現実に さらされている。 県外資本を中心に投資に急ブレーキが掛かる中、明るい材料がないわけではない。北國 新聞社は今月、9階建ての複合施設「金沢香林坊ビル」(仮称)を着工。旧県庁跡の「し いのき迎賓館」も4月10日の開館を控え、にぎわい創出への期待が高まっている。 金沢市は新年度、香林坊、片町商店街地区で街並みの再生に向けた調査に着手する。老 朽化したビルの利用状況や再生に向けた課題を確認し、建て替え促進に結びつけたい考え だ。 片町商店街振興組合の小間井理事長は「新たな商業施設や一流のテナントを呼び込むに は目新しい魅力が必要だ。行政のリーダーシップに期待すると同時に商業者もその気にな って再開発を検討する時期ではないか」と、官民一体で中心部の魅力づけを進めていく必 要性を強調した。 一方、住宅地の公示地価は、ここにきて復調の兆しが出ている。県内の下落率は6・4 %と前年の3・8%から拡大したが、年間を通してみると、上期に比べ、下期の下落幅が 縮小した。年明け以降、住宅ローン「フラット35」の金利引き下げや住宅版エコポイン ト制度の開始などにより、持ち家を取得する動きがみられる。金沢市内では、造成前の予 約段階で大部分が売れた宅地も出てきた。 県内で昨年7月1日調査の基準地価との共通8地点をみると、7地点で下期の方が下げ 幅が小さく、1地点で同じ下落率だった。8地点で最も価格が高い金沢市彦三町1丁目は 、上期の下落率が4・5%だったが、下期は2・4%に縮小した。 「少しずつ売れるようになってきた。全く駄目だった昨年と大きな違いで、開発事業者 の担当者間で明るい話題が増えてきた」。石川県の不動産鑑定士、堀江寿郎氏は住宅需要 が好転してきたとする。 日銀金沢支店によると、昨年11月から今年1月の北陸の新設住宅着工戸数のうち、持 ち家は前年同期を11・6%上回った。全体では依然として厳しいが、2月に「下げ止ま りつつある」として2年ぶりに住宅投資の判断を上方修正した。同支店は「マイナス幅が 拡大する状況でなくなってきている」とみている。 宅建地所(金沢市)などが昨年12月、同市四十万町で予約販売を開始した93区画の 宅地は、既に91区画で買い手がついた。住宅メーカーが購入するケースが多く、建て売 り販売する目的とみられる。「こうした動きが出てきたのも、メーカーが『売れる』と判 断している証拠」と指摘する業界関係者もいる。 堀江氏によると、県内では白山市曽谷町周辺など土地区画整理や、宅地開発が20カ所 ほどで計画、進行しているという。政策効果もあるとはいえ、商業地より先に、宅地需要 が持ち直す可能性が出ている。
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