北陸の経済ニュース 【3月6日03時00分更新】

大型プレスが先行回復 コマツ金沢工場
 コマツのプレス機械事業に明るい兆しが出てきた。1月に中国で16カ月ぶりに大型プ レス2ラインを受注したのに続き、今月中に新興国で新たに2ラインの受注が固まった。 金融危機後、受注ゼロの状態が続いてきたが、2010年1〜3月期(第4四半期)だけ で計4ラインとなる見通しだ。中小型プレスに先行して大型プレスの受注が回復しており 、小松工場閉鎖で大型プレスの一大拠点となる金沢工場にとって明るい材料となる。

 5日、鈴木康夫取締役専務執行役員が北國新聞社の取材で明らかにした。

 1月に受注したのは自動車の車体を造る大型プレス(5千〜6千トン級)2ライン。受 注額は40億円。日産自動車の中国の合弁会社から受注した。新年度から生産を始める。

 さらに、鈴木専務は中国以外の新興国でも、同じ能力を持つ大型プレス2ラインの受注 が固まったとし、「ようやく暗闇から光が見えてきた」と話した。

 鈴木専務によると、リーマン・ショック後、低迷していたプレスの受注は、中国など新 興国向けで大型が先行回復している。

 背景にあるのは自動車市場の拡大。増産対応で自動車メーカーが設備投資を活発化させ ている。特に中国の現地メーカーは、中国製の性能が低い低価格のプレス機を使ってきた が、増産に伴って、より高性能で生産性の高いプレス機を求める流れに切り替わってきて いるという。

 鈴木専務は「中国で大型プレス機の引き合いがコマツに集中している。コマツのプレス は中国製より価格は3倍だが、生産性は10倍ある。シェア拡大のチャンスだ」と説明。 中小型のプレスについては「本格的な需要拡大は1、2年後になる」との見通しを示した 。

 受注環境が好転する一方、生産面は厳しい。大型プレスは受注から出荷までの期間が長 いもので16カ月かかる。これまでは受注残を消化してきたが、その間、受注ゼロが続い たしわ寄せは2011年3月期(来期)の生産に大きく響く。鈴木専務は「来期が底。良 くて今期と同等レベル」とし、本格的な回復は12年3月期からとした。

 コマツは今後、プレスを販売するだけでなく、使用法をセットにした「提案型の営業」 を強化し、新規開拓を狙う。鈴木専務は「自動車関係の現地メーカーでターゲットにして いるのは20〜30社ある。『高性能で使いこなせない』という現地の顧客の声に対応し 、使用法までをパッケージにした営業で売り込みを図る」と述べた。

 小松工場閉鎖に当たり、コマツは5日、小松市末広体育館でサンクスパーティーを開い た。社員やOBら約900人が参加し、1921年の小松製作所創業以来、稼働してきた 工場の閉鎖を惜しんだ。OB代表の高橋治氏はあいさつで「プレスはコマツの象徴。残念 だが、今後の隆盛をみたい」と期待した。

 鈴木専務は跡地に整備する大規模な研修・教育センターについて、同時通訳が可能な最 新設備の国際会議場や、創業当時の社屋をイメージした記念館を設置する構想を明らかに した。新入社員が一堂に会すことができる250人収容の会議場も整備される。

 小松工場がある八日市町生まれの鈴木専務は「悲しいが、次の発展のための決断。跡地 は人材育成の場として活用し、小松市と共存、共栄していく」とあいさつした。和田慎司 市長、杉林憲治市議会議長、山野一郎金沢工場長、宮崎浩一ユニオン北陸支部執行委員長 もあいさつ、佐々木一郎粟津工場長の発声で乾杯した。岡田正産機事業本部副本部長が中 締めした。


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