北陸の経済ニュース 【2月25日03時03分更新】

マンション需要に薄日 金沢、富山 優遇策、低価格化が追い風
 北陸のマンション需要に薄日が差している。低金利、減税など政策の追い風を受け、金 沢、富山の市中心部では売れ残った物件が完売するケースも出てきた。値下げの広がりも 購入意欲を刺激したとみられる。ただ、新規の供給に乗り出す動きは「凍結状態」が続い ており、市場の本格回復はまだ遠そうだ。

 「1月、2月とも5戸ほど売れている。ペースが上がってきた」。大和ハウス工業富山 支店の担当者が声を弾ませるのは、富山市で販売する「プレミスト桜橋イースト」の販売 状況だ。

 08年9月に分譲を開始した物件で、昨年は月に3戸程度しか売れなかったという。現 在までに82戸のうち53戸の販売を終えた。

 24日に竣工(しゅんこう)式を行った同市の「プレミスト総曲輪」は、昨年8月に売 り出して以降、分譲対象となる51戸のうち14戸が売れた。従来の主要客層だった高齢 者でなく、20、30代のファミリーという新しい客層からの引き合いが増えているとい う。

 タカラレーベン(東京)が同市で販売する「レーベンハイム富山白銀町」は、残り1戸 となっており、独身男女が購入するケースもあったという。

 不動産市況の悪化で、長く「氷河期」が続いていたマンション販売。ここに来て明るい 声が聞かれ始めた背景には、国や自治体の支援策がある。

 既存の住宅ローン減税に加え、住宅ローン「フラット35」は15日から金利の下げ幅 が拡大された。住宅購入時の贈与税の非課税枠も拡大される見通しで、「購入に有利な条 件が増え、購入マインドが上向いた」と指摘する業界関係者もいる。

 低価格化が進んだことも大きい。

 金沢市では、売れ残った物件を買い取って割安で再販する「アウトレット」が昨年ごろ から目立ち始めた。中には元値より1千万円以上安く売りに出されるケースもあり、「価 格破壊が消費者を動かした」との声もある。

 昨年10月、金沢市尾山町のマンションを買い取って再販していたマリモ(広島市)は 、5カ月足らずで売りに出した11戸を完売。担当者は「順調なペースで売れた。市況は 一時期に比べると改善した」と分析する。

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 ただ、マンションの新規発売は冷え込んだままだ。金沢市内では「需要回復と言えば聞 こえはいいが、実際は在庫がはけているだけ」と冷めた見方も多い。

 民間調査会社の不動産経済研究所(東京)によると、2006年に1206戸だった北 陸三県のマンション発売戸数は、09年に139戸まで急減。石川と福井はゼロだった。

 景気の急速な悪化を受けて大手が一斉に発売戸数を絞り込んだためで、同研究所は「北 陸は今年も100戸程度の低水準にとどまる」とみている。

 中心市街地と郊外の温度差を指摘する声もある。富山では、交通利便性の高い都心部に 動きがみられる一方、「郊外は止まったまま」(関係者)という。

 一部で明るい兆しが出始めたものの、マンション市場は全体として供給過剰だ。昨年、 大手の穴吹工務店(高松市)が会社更生法を申請したことで、購入物件を慎重に見極めよ うとする傾向も強まっている。マンション販売業者にとっては厳しい状況がまだまだ続き そうだ。


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