北陸の経済ニュース 【1月31日03時07分更新】

日曜大工派が急増 北陸、ホームセンター出店衰えず
 不況による消費低迷で百貨店閉鎖などの暗いニュースが相次ぐなか、出店ペースが衰え ない小売業態がある。工具やカー用品などが並ぶホームセンターは北陸でも、この3年で 6店増え、今年も石川、富山で少なくとも3店が誕生する予定だ。なぜホームセンターは 不況でも増えるのか。事情通に聞くと、「不況だからですよ」と思わぬ答えが返ってきた 。(吉免宏樹)

 「DIYが好調なんです」。そう語るのは北陸で最多の61店を展開するコメリ(新潟 市)の経営企画室の担当者。DIYとは、ドゥ・イット・ユアセルフのアルファベットの 頭文字で、「自分でやる」という意味。いわゆる日曜大工のことだ。

 同社ではこのところ、接着剤やペンキに加え、電動ドリルや電動のこぎりといった工具 の売れ行きが伸びているという。2009年4〜12月期でみると、金物・資材・建材の 売上高は前年同期比で2%増え、好調が続いている。

 「経済的に余裕がある時は業者に頼むのでしょうが、今は節約の時代。できるだけ自分 でやった方が安く済むと考える人が増えているんです」と担当者。「一度やり出すと、意 外と楽しい」との声もあるという。

 日本DIY協会による昨年7〜9月の全国調査でも、DIY素材・用品の売上高は7月 こそ前年同期比で減少したものの、8月、9月は増加。10月も伸びており、確かに、日 曜大工派は増えているようだ。

 北陸三県で展開する主なホームセンター5社の店舗数は現在、合計で100店。3年で 6店増え、一昨年秋のリーマン・ショック後も出店ペースは鈍っていない。

 今年は現時点で、ナフコ(北九州市)がかほく市に出店を予定し、カーマ(愛知県刈谷 市)も石川県内で、ホームセンタームサシを展開するアークランドサカモト(新潟県三条 市)は高岡市への出店を計画中だ。

 このうち、ナフコは昨年1月に北陸1号店を七尾市に出店。かほく市のほか、来年春を めどに白山市でも新店を開業する方針で、来年か再来年には富山、福井への進出も計画し ている。

 「なぜ北陸なの?」。同社の店舗開発部の担当者に水を向けると、「北陸は持ち家比率 が高く、降雪の影響で家の補修が必要になるケースも多い。DIYニーズがもともと高い 土地柄なんです」との答え。雪国で戸建て住宅が多い北陸の地域事情が、ホームセンター にとって魅力に映るというわけだ。

 では、実際の利用者はどんな人なのか。週末の30日、金沢市内のホームセンターに足 を運んでみると、まだ午前中なのに、住宅関連資材の売り場は家族連れでにぎわっていた 。

 材木売り場でベニヤ板を裁断してもらっている若い夫婦に何に使うのか聞くと、「物を 置く台を作るんです。棚そのものを買うより安いし。家計も気になるので、ちょっとした 家の手直しなら最近は自分でやります」と、夫の30代会社員が話してくれた。

 ホームセンター関係者は「リタイアした団塊世代の男性も多いですし、製造業に勤務す るお父さん世代が生産調整で生じた連休を使い、日曜大工を始めるケースも多い」と言う 。時間に余裕のある男性が増えたことも、日曜大工派が増えた一因のようだ。

 コメリの担当者によると、最近は建築業者の姿もよく見掛けるという。本来は専門の資 材業者に注文するところだが、最近の建築不況で、まとまった量の資材を買うのはリスク が高い。そこで必要な時に必要な分だけ購入するのにホームセンターを利用するらしい。

 取材の結果、ホームセンターの出店が続くのは、確かに不況の裏返しという側面もある ような気がした。

 とはいえ、家族のために日曜大工に精を出すお父さんはカッコイイ。武骨な工具が所狭 しと並ぶホームセンターは何となく男心をくすぐる。

 そういえば、わが家のげた箱も壊れたままだったっけ。たまには、工具を片手に、カッ コイイ夫の姿を妻に見せてやるか。


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