石川のニュース 【9月24日03時52分更新】

若手作家に町家の工房 金沢市、来年1月から貸し出し 東山の空き家改修
 【パリ=後藤尚彦】金沢市内の伝統的な景観を形成する町家が、若手伝統工芸作家の独 立を支援する拠点となる。同市は東山2丁目の町家を工房に改修し、来年1月から若手作 家に貸し出す。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「創造都市ネットワーク」にクラフ ト(工芸)分野で登録された厚い工芸土壌を後世に継承する狙いである。訪仏中の山出保 金沢市長が23日、方針を示した。

 金沢市内では、武蔵地区のオフィスビルの空きフロアを市が借り上げ、創業間もない経 営者に事務所として貸し出すインキュベーション施設としている。工房に改修される東山 2丁目の町家はインキュベーション施設の伝統工芸版と言えるもので、全国でも珍しい取 り組みという。

 工房となる木造2階建ての町家は江戸時代後期に建築されたとみられ、現在は空き家と なっている。所有者の涌田正明さんが市の助成制度を活用して工房に改修した後、市が借 り上げ、若手工芸作家を公募し、低料金で貸し出す。貸出期間は最長3年とする予定であ る。

 金沢市によると、卯辰山工芸工房の修了者や金沢美大などの卒業生には作家としての独 立を希望しながら、金銭的な問題などで断念せざるを得ないケースも少なくないという。 工房に適当な物件が見つかりにくい側面もあり、市として支援に乗り出すことにした。

 工房は友禅、金箔(ぱく)、象嵌(ぞうがん)など、伝統工芸の幅広い分野で利用でき る仕様とする。市は金沢ファッション産業創造機構や金沢クラフト広坂と連携し、商品開 発や販路開拓などでも若手作家を支援する。

 同市東山2丁目の町家はひがし茶屋街にも近い。市は町家改修で伝統的な景観に磨きを かけるとともに、職人の手仕事の音が響き渡ったかつての城下町の雰囲気を取り戻し、ま ちのにぎわい創出につなげたい考えである。


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