生まれつき聴覚障害がある子どもを早期に見つけるため、富山県が昨年十月から産科医
療機関を対象に新生児聴覚検査の普及に取り組んだところ、九割を超える機関が検査を実
施するようになったことが、十三日までに分かった。これまでに七人が早期発見され、障
害の程度などによって差はあるものの、早期療育で健常児とほぼ同様に話すなどのコミュ
ニケーション能力を得られるという。
県健康課によると、先天性聴覚障害は出生千人に一―二人の割合で現われる。これまで
は重度で一歳前後、軽度から中度で二歳以降になって発見されることが多く、話す能力な
どの発達が遅れ、年齢に応じた言語力の習得が難しくなっていた。
県は早期発見の体制を強化するため、昨年十月から一年間、二種類ある検査法のうち精
度の高い「自動聴性脳幹反応(自動ABR)」と呼ばれる検査を実施した医療機関に、一
件あたり四、五千円の検査料のうち千円を助成している。検査は数分から十数分でできる
。
県内で分娩を扱う産科医療機関のうち、一昨年に新生児聴覚検査を実施していたのは全
体の約五割にとどまっていた。しかし、県の取り組みによって検査を実施する機関が増え
、二十九機関のうち二十八機関が検査をするようになった。
昨年十月から今年三月末までの検査実績を集計したところ、約三千八百人が検査を受け
、要精密検査となった十九人のうち三人の両耳と四人の片方の耳に、先天性聴覚障害が見
つかった。障害児七人のうち二人が、富山市の難聴幼児通園施設「高志通園センター」で
早期療育を始めたことが確認されている。
県健康課は「すべての新生児に検査を受けてほしい」としている。