今日の社説

2018/02/23 00:41

福岡料金所の廃止 能越道の利便性が高まる

 能越自動車道の有料区間にある福岡本線料金所を6月末をめどに廃止し、小矢部東本線料金所に統合することが決まった。料金は小矢部東で一括徴収し、普通車では現行の両料金所の合計額410円から350円に値下げとなる。

 能越道は、富山県道路公社が管理する小矢部砺波ジャンクション(JCT)―高岡インターチェンジ(IC)が有料となっており、本線上にある小矢部東、福岡の各料金所で、それぞれ210円、200円を徴収している。このうち福岡料金所はETC(自動料金収受システム)が設置されていないため停車して現金を用意しなければならず、利用者から不便との指摘があった。

 福岡料金所の廃止で、能越道全体の利便性が高まるのは間違いない。特に恩恵を受けるのは能登を含む高岡以北の利用者だろう。小矢部砺波JCTを経由して北陸道や東海北陸道へ抜ける場合、料金は現行より60円安くなる。福岡ICに近接する三井アウトレットパーク北陸小矢部へは無料で行くことができる。福岡料金所の廃止を能越道の利用促進につなげたい。

 一方、福岡、小矢部東の両ICから北陸道などへ抜ける利用者にとっては、現行より140円の値上げとなる。地元住民や通勤などで日常的に利用する人が不利益を被るのは避けなければならず、県が料金割引を実施するのは当然の措置である。割引率は2割程度となっているが、今後拡大する余地がないか、利用状況を見ながら検討してもらいたい。

 福岡料金所の廃止で全体としては料金が値下げとなるため、有料区間の建設費の償還期間は当初の2037年6月から42年6月までに5年間延長されることになる。能越道の全線無料化が遠のくのは残念であるが、利用が増えれば償還期間の短縮も見込めるだろう。

 福岡料金所の撤去に伴い、県は福岡パーキングエリア(PA)をリニューアルし、大型車の駐車スペースを拡充するほか、沿線市と協力して物販や交通・観光情報提供の施設整備なども検討する意向を示している。利便性が高まる能登地域や中日本高速道路とも連携し、利用拡大に努めてほしい。

米朝会談中止 非核化の前提崩すまい

 平昌冬季五輪を舞台にした米朝会談が、合意後に中止されたと米政府が発表した。北朝鮮に「最大限の圧力をかける」方針を掲げる一方、直接対話も排除しないトランプ政権の姿勢が明確に示された形である。

 米政府はこれまで、米朝対話に入る前提として、非核化の意思を示すよう北朝鮮に迫り、日本政府とともに「対話のための対話」には決して応じない旨を強調してきた。この原則をここで揺るがせてはなるまい。

 米国務省によると、五輪開会式に出席したペンス副大統領と、金正恩朝鮮労働党委員長の妹、金与正第1副部長らとの会談開催で合意したが、直前になって北朝鮮側が中止を伝えてきたという。理由は定かではない。ペンス氏の首席補佐官によると、中止の連絡に際して北朝鮮側は、ペンス氏が厳しい追加制裁を科す方針を発表したことや、脱北者と面会したことに不快感を示したという。

 米国務省は、いったん合意した米朝会談について「核・ミサイル開発を放棄する必要性を北朝鮮に理解させる機会として会談の用意ができていた」と説明し、非核化に向けて引き続き最大限の圧力をかける考えを強調している。

 平昌五輪の開幕に先立って日本を訪れたペンス氏は、安倍晋三首相との会談で、北朝鮮の「ほほえみ外交」を警戒し、最大限の圧力をかけ続ける方針を再確認したばかりである。米側は、北朝鮮が非核化に応じるまで決して妥協しないことを伝えるため米朝会談の設定に応じたとされる。そうした趣旨の会談であれば、日本政府として異議を挟む余地はなかろう。今はまだ圧力を緩めるときではないとの認識で日米首脳は一致しているはずである。

 ただ、ペンス氏のこれまでの言動から、米側が韓国の文在寅政権とともに、圧力最大化路線を軟化させるのではないかと不安視する向きも日本政府内にある。日本の頭越しに米朝対話が進み、日本が置き去りにされるのではないかといった疑念から、日米一体の取り組みにきしみが生じるようなことがあってはならない。