今日の社説

2016/08/30 00:50

台風10号接近 北陸も万全の備えと警戒を

 大型の台風10号がきょう夕方にも北陸に最接近する。今のところ直撃は免れそうだが、想定外のルートをたどってきているだけに、正確な予測が困難で、暴風域に巻き込まれる恐れがある。北陸でも厳重な警戒が必要であり、それぞれが万全の備えをしてほしい。

 台風10号は強い勢力を保ち、暴風域を伴ったまま30日午後9時前後、北日本から関東に上陸する見通しである。中心付近の最大風速45メートル、最大瞬間風速は60メートルに達し、北西側110キロ以内でも風速は25メートル以上という。

 このまま進めば、東北地方に向かう可能性が高いが、北陸も安心はできない。低い土地の浸水や河川の増水、土砂災害に注意が必要だ。看板の落下や飛来物による被害も予想される。早め早めに家の周囲に強風で飛ばされそうな物はないか点検し、雨戸、看板、塀などが倒れないように固定する予防策を講じておきたい。

 台風並みの暴風が吹いた今年4月、富山県と石川県で転倒した男性2人が亡くなり、重軽傷者は両県合わせて40人を超えた。北陸は台風の接近数が少なく、被害も少ないためか、暴風への備えが十分とはいえないケースがみられる。

 台風や集中豪雨が発生すると、田畑や近くの河川の水位を見回りに出て、濁流にのまれる痛ましい事故が多発している。台風の位置や進路予想を常に頭に入れて行動し、できるだけ外出を控えることが望ましい。同時に停電・断水に備えて、懐中電灯や携帯ラジオ、飲料水などを準備し、避難が必要になった場合の持ち出し品もそろえておきたい。

 今年は台風の発生が過去2番目に遅かった。発生が遅い年は豪雨や台風が多発したり、台風が大型化したりする傾向がある。温暖化の影響なのか、台風に限らずゲリラ豪雨など、自然災害の激化が目立っている。

 折しもきょうから防災週間が始まる。避難訓練や防災フェアなどの行事が予定されている地域も多いことだろう。台風10号の接近は、災害の怖さ、備えの大切さをあらためて胸に刻む機会にもなる。地域や家族ぐるみで防災意識を高めたい。

県産チューリップ 国際評価を輸出の力に

 トルコで開かれている国際園芸博覧会の切り花部門で、富山県が出品したチューリップ5品種のうち、3つが最高賞の金賞、2つが次点の銀賞を受けた。国際的な舞台で、全ての出品作が、栽培技術や品質の高さで高い評価を受けたことは、県がめざす欧州連合(EU)での品種登録や、20年以上途絶えている球根輸出の再開に向けて、力強い追い風になるだろう。

 県産チューリップはこれまで、「チューリップ王国とやま」と題して、年に一度、東京都中央卸売市場大田市場などで展示され、昨年春には本場オランダの球根卸売市場の見本園にも出品されたが、今回の受賞を機に、一般のフラワー愛好者にも披露する機会をより多く作りたい。

 県産チューリップは、1960年代に球根生産量の約75%が米国やカナダなどへ輸出されていた実績があるが、オランダの大量生産による安価な球根がシェアを拡大し、1991年以来、輸出からの撤退を余儀なくされた。

 今回の受賞作は紫や濃赤色、白など多彩な色と特徴的な花形が印象深く、チューリップ原産国のトルコで、富山の技術力の高さをアピールするのに十分な出来栄えとなっている。

 10月末までの期間中、世界から800万人が訪れるという同園芸博覧会での入賞は、生産者にとって国際的な栄誉とされる。入賞品種は政府の出展専用ホームページでも紹介され、国内外の認知度向上の好機になる。県産品種のEU登録が年内にも決まる見通しであることと合わせて、球根の輸出再開の足がかりにしたい。

 ことし春の「となみチューリップフェア」は、14日間の総入場者が31万1千人となり、過去10年で最多の32万1千人を集めた昨年には及ばなかったものの、天候不順の日があったにもかかわらず、目標の30万人超えを達成した。

 こうした集客力の見込める大型イベントの場を生かし、受賞作品をまとまって公開するスペースを設けるなどして、受賞の価値を広く発信し、国内の球根需要拡大にもつなげたい。